社労トピックス
損害賠償の誓約書について
従業員を採用するときに、「故意または過失により会社に損害を及ぼした場合、その損害を賠償すること」とする誓約書を書いてもらっているが、これって大丈夫ですか?との問い合わせがありました。
確かに、労働基準法に損害賠償を予め予定して、その損害に対して○○円支払ってもらうというように決めることは禁止されています。
しかし、その従業員の行為によって、実際に生じた損害額を請求することは禁止されていません。
ただ、気を付けておきたい事もあります。
このような契約をしていたとしても、100%損害額を請求して、100%支払ってもらうという事になるとは限りません。
色々な従業員の方がいらっしゃると思いますが、基本的に従業員の方は使用者の指揮命令に従って業務を行っています。
従業員のミスがそもそも業務に内在することや、そのミスに対して、使用者側も予防策を講じていたかなども損害賠償を請求するときに考慮されることとなります。
故意に損害を与えるという従業員は別として、過失による損害においては100%の請求ができるとは限りませんが、「実際に損害を与えた場合は責任が発生しますよ」との確認の意味で契約を結ぶことには問題はありません。
(2021年5月記載)
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